2012年1月1日日曜日
2012/1/1 号
新年明けましておめでとうございます。
新たなホームページです。
これから しばらくお薬に関することを書きます 医療の第一の勤めは、患者様に害を加えないことだと思っています。
診断の結果、自力だけで是正することが難しいとか 手助けが必要な状況と判断したら お薬を提供することになります。
年を経るごとに合併症も多くなり、薬も多種多様になり、効果は勿論のこと、
それ自体の副作用やら飲み合わせによる影響も出て複雑になって行きます。
それで医師として私の責任はもちろん負いますが、皆様方も出来るだけ 薬効やら副作用の症状や成り立ちを知るように勤めて下さい。
そんな想いで今までの経験やら文献を参考にして書いて行きます
1。薬の代謝
薬は抗生物質のように注射で直接血液に入る以外は、だいたい口から飲み込んで(中には口腔内の粘膜から直接に吸収されるものもありますが)胃で薬を包んでいる膜がむかれて、小腸から吸収され、門脈という血管を通って肝臓に送られ、薬効が出るかたちに変化をうけて全身に送り出されます。
何巡か身体を巡った後肝臓で解毒化され、そのまま胆汁に混じって便中に出たり、肝臓で水溶性になり腎臓から尿として出て行きます。
肝臓ではチトクロームP450 という薬物代謝酵素で代謝を受ける訳です。 肝臓の重量は体重の約2.5%程度ですが、90歳では体重の1.6%に低下します。それだけ代謝能が低下します。
また腎臓でも加齢によりネフロン数や腎血流量が低下して行きます、90歳になると20歳の時に比べてその機能は25〜50%も減少します。
ですから加齢により、服用した薬の血中濃度は上昇します。例えば睡眠薬のハルシオンは約2倍の血中濃度になり、ふらつきやめまいが出やすくなるということです。個々の薬剤については直接お聞きください。